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zoom RSS 岡本裕一郎「いま世界の哲学者が考えていること」

<<   作成日時 : 2017/12/07 19:35   >>

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「いま世界の哲学者」は、こんなことを「考えている」という説明であって、考えている内容を詳しく説明しているわけではない。 内容はサラリと書かれていて、誰がどんな種子の本を書き、どんな論説をしていたかが主題だ。  いわば、索引、ディクショナリー、メタ文書、といった趣で、それはそれで価値があるから、書店で平積みされているほど売れているのだろう。 

「哲学」を狭く考えれば、第1章で、この本の目的は達成である。 

マルクス主義は、フランクフルト学派、解釈学として変遷し、実存主義は、現象学、構造主義を経て、ポスト構造主義となり、分析哲学は現代の哲学として生き残っている。

デカルトやロック以来の哲学が、合理論と経験論に分かれていたにせよ、意識を分析する認識論的転回だと言えば、現在は、「哲学の諸問題は言語を改革することによって、あるいはわれわれが現在使っている言語をよりいっそう理解することによって、解決ないし解消しうるという」、リチャード・ローティの言語論的転回が主流である、らしい。

そして、ジャン・フランソワ・リオタールの「ポストモダン」は、「現代人は、こうした真理や規範を、もはや信じて」いないと、「道徳的な「善悪」や、法的な「正義」に関しても、普遍的な真理はなく、多様な意見があるに過ぎないとされ」てきた」

更に、言語論的転回を推し進めると、
・ チャーチランド、クラークらの、 認知科学的に「心」を考える
・ スティグレール、クレーマーらの、 コミュニケーションの土台になる媒体・技術から考える
・ メイヤスー、ガブリエルらの、 思考から独立した存在を考える ・・・・

という潮流になるらしい。 
ここらあたりで、早くもおてあげである。、



しかし、いわゆる哲学自身の話はここまでで、後は、いま、現代の課題に哲学者は、どう考えているかという、
親しみやすい話だ。 だから、読み続けられるし、 ほとんど、エッセンスとディクショナリーと思えばいい。


まったく興味本位に、興味を感じたところを、あげておこう

・マウリツィオ・フェラーリス ・・・「スマートフォンのあり方を哲学的に分析して、「ドキュメント性」という概念で表現

・ミシェル・フーコー ・・・ 「イギリスの功利主義哲学者ジエレミー・ベンサムが考案した監獄「パノプティコン」にもとづいて、近代社会のあり方をパノプティコン社会と見なした」・・・「監視する者」と「監視される者」の非対称性
 
・ダニエル・デネット ・・・ フレーム問題を再提起。 実は人工知能だけでなく、人間にも当

・グレゴリー・ストック ・・・ 「「費用、安全性、有効性」の条件がクリアされるならば、人間に対する遺伝子組み換えも賛成すべきだと主張します」

・ニック・ボストロム ・・・ 「人間超越主義(トランスヒューマニズム)の考えによれば、現在の人間の本性は、応用科学やほかの合理的方法によって改良することができる」

・G.E.ペンス ・・・ 「望ましい人の遺伝子のタイプを選んで子どもをつくるのですから、子どもを傷つけるわけではない」

・ユルゲン・ハーバマス ・・・ クローンの場合は、「「誕生の所与性」は、いかなる偶然的状況でもなく、むしろ意図的な行為の結果で」あり、「どのような遺伝プログラムを受け継がせるか、最初から他人が決定する」

・ジョン・ハリス ・・・  生命延長治療に反対する反対派の論拠、不公平性、人生の退屈さ、人格の同一性の欠如、人口過剰、健康維持費用の増大、に反論して、老化遅延と生命延長に賛成

・ペーター・スローターダイク ・・・ 人間を遺伝子操作する現代は、ポスト人間主義的時代と呼ばれる

・ラメズ・ナム ・・・ 「超人類へ! バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会」

・ハリー・フランクファート ・・・ 「十分性の学説(十分主義)」、道徳的に重要なことは、格差ではなく「貧困」で、ライシュ、ピケティが格差を重要視するのと一線を画す

・アマルティア・セン ・・・ 「自由主義のパラドックス」

・アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート ・・・ 「帝国」:グローバリゼーションのプロセスによる新たな世界秩序 

・フェリックス・マーティン ・・・ 「通貨を「実体的な裏付けのない表象的なもの」と規定し、「通貨の根底にある信用と精算のメカニズムこそが、マネーの本質である」と述べ」る

・ジェレミー・リフキン ・・・ シェアリングエコノミーは資本主義にとってかわるのではなく、むしろ資本主義の一部として組み込まれる

・ヨーゼフ・シュムペーター ・・・「創造的破壊の過程こそが資本主義についての本質的事実」であって、成功によって自動化され、生き延びてゆくことができない

・ピーター・L・バーガー ・・・  「「世俗化」という概念を社会と文化の諸領域が宗教の制度や省庁の支配から離脱するプロセスと定義し、現代社会をこうした世俗化の時代と考えた」

・ウルリッヒ・ベック ・・・  「21世紀初頭に観られる宗教の回帰現象は、1970年代にいたるまで200年以上にわたってつづいてきた社会通念(世俗化理論)を破るもの」

・チャールズ・テイラー ・・・ 多文化主義の代表的論者だったが、宗教的転回をとげ「世俗の時代」に

・ウルリッヒ・ベック ・・・二つの近代化、第一の近代化は個人的で普遍的な宗教 プロテスタント、第二の近代化は個人的でコスモポリタン的宗教 自分自身の神

・スティーヴン・ジェイ・グールド ・・・科学と宗教とは、「まったく別の領域で機能している」、NOMA(Non Overlapping Magisteria)原理

・リチャード・ドーキンス ・・・ 「神は妄想である」、宗教がなくても、人間は道徳的な行動をする

・ビョン・ロンボルグ ・・・ 「環境危機を煽ってはいけない」

・リン・ホワイト ・・・ 環境破壊の原因は人間中心主義

・アルネ・ネス ・・・ ディープ・エコロジー 動物も植物もすべて平等と考える「生命圏平等主義」

・コペンハーゲン・コンセンサス ・・・ 今後四年間で、500億ドルの費用をかけて世界の役に立てるとしたら、どこに使うべき・・・伝染病対策、栄養失調対策、貿易自由化などが上位で、天租税や京都議定書などは最低




岡本裕一郎「いま世界の哲学者が考えていること」(ダイヤモンド社 2016.9.8)
序章 現代の哲学は何を問題にしているのか
第1章 世界の哲学者は今、何を考えているのか
第1節 ポストモダン以降、哲学はどこへ向かうのか
第2節 メディア・技術論的転回とは何か
第3節 実在論的転回とは何か
第4節 自然主義的転回とは何か
第2章 IT革命は人類に何をもたらすのか
第1節 人類史を変える二つの「革命」
第2節 監視社会化する現代の世界
第3節 人工知能が人類にもたらすもの
第4節 IT革命と人間の未来
第3章 バイオテクノロジーは「人間」をどこに導くのか
第1節 「ポストヒューマン」誕生への道
第2節 クローン人間は私たちと同等の権利をもつだろうか
第3節 再生医療によって永遠の命は手に入るのか
第4節 犯罪者となる可能性の高い人間はあらかじめ隔離すべきか
第5節 現代は「人間の終わり」を実現させるのか
第4章 資本主義は21世紀でも通用するのか
第1節 資本主義が生む格差は問題か
第2節 資本主義における「自由」をめぐる対立
第3節 グローバル化は人々を国民国家から解放するか
第4節 資本主義は乗り越えられるか
第5章 人類が宗教を捨てることはありえないのか
第1節 近代は「脱宗教化」の過程だった
第2節 多様な宗教の共存は不可能なのか
第3節 科学によって宗教が滅びることはあり得ない
第6章 人類は地球を守らなくてはいけないのか
第1節 環境はなぜ守らなくてはいけないのか
第2節 環境論のプログラマティズム的転換
第3節 環境保護論の歴史的地位とは



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