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zoom RSS 矢部宏冶「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」

<<   作成日時 : 2017/12/04 21:15   >>

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矢部氏は、戦後史の闇を探求し、なぜ日本は米国の従属国で、日本の空は米軍に支配されているのか、米国大統領も米軍基地からフリーパスで入国するような治外法権の国になってしまったのかを、一連のシリーズで明らかにしている。

この本で、かなり、明らかになったのではないだろうか。 

冷戦構造の進展に対処して、占領政策の転換されたことは、もうよく知られた、既知のこととなるが、もっと直接的なきっかけとしては、予想もしない朝鮮戦争の勃発があげられる。 朝鮮に駆けつけて空っぽになった在日米軍基地を守るため、そして、朝鮮戦争への協力、場合によっては日本の参戦まで可能とする仕組みが、ダレスによって構築され、その後、講和条約と旧安保条約、日米行政協定に結実された。 

この仕組みは現在もなお生きている。 

占領期にもっていた特権は、 旧安保条約と行政協定によって維持された。 そして、60年の安保改定を経て、新安保条約と地位協定は形ばかりに改定されても、密約によって、何も変わらないことが約束されている。 

密約は、以前の取り決めを維持するために、新しい取り決めを決める際に交わすものだ。 
ずっと維持されている占領期の特権というのは何かと言えば、

@ 米軍関係者が日本の法によって裁かれないための「裁判権」
A 米軍が日本の国土全体を自由に使用するための「基地権」 、基地権密約文書は、岸と藤山が約束した内容は基本的に変更しない、という密約
B  指揮権密約とは、一言でいってしまえば、「戦争になったら、自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う」という密約

矢部氏は、この密約に至る経緯とその背景を、かなり詳細に語っている。

背景として重要なのは、
・大西洋憲章(1941.8.14 ルーズベルトとチャーチル)
・連合国共同宣言(1942.1.1 米英ソ中を加えた26ケ国)、
・ダンバートン・オークス提案(1944.10 米英ソ中で、国連憲章原案)、
・そして、国連憲章(1945.4 〜 6)
この流れで、日本国憲法の戦力・交戦権放棄につながっている。 九条は、国連軍の存在を前提としていた。

そして、日本に戦力を放棄させたのちに、朝鮮戦争勃発によって、軌道修正させるための、法的正統性、論理性をどこに求めるか。 どう、整合させるかを、ダレス、マッカーサー、吉田茂らは苦労したのだろう。 

結局、国連軍ができるまでという口実で、国連軍に代わる米軍に協力する義務を負う日本に、 裁判権、基地権、指揮権の特権をおしつけた。 

だから、 どの国にも、その国の未来を決めた重大な瞬間があるとすれば、戦後日本にとっては、「間違いなく、朝鮮戦争が起こった1950年6月だったといえる」と、矢部氏は語る。 

別の言い方をすれば、「軍事面からみた「戦後日本」の歴史とは、つまりは米軍が朝鮮戦争のさなかに書いたこの安保条約の原案が、多くの密約によって少しずつ実現されていく、長い一本のプロセスだったということができる」ということだ。

あれから65年、「安保関連法を強引に可決させた安倍首相は、おそらく日本が集団的自衛権を行使できるようになれば、アメリカと「どんな攻撃に対しても、たがいに血を流して守りあう」対等な関係になれるという幻想を抱いているのでしょう。 しかし、それは誤解なのです。アジアの国との2国間条約である日米安保条約が、集団的自衛権にもとづく対等な相互防衛条約となることは、今後も絶対にありえないのです」

あくまでも属国として、アメリカの戦争に協力させられてゆくのでしょう。


ところで、日本全土が防衛上の軍事行動のための潜在的地域とみなされる、いわゆる「全土基地方式」で、米軍が日本国内で、どこに基地を置こうと、どんな軍事行動をしようと、日本側は拒否できないのだが、フィリピンだって、場所は23か所に限定されている。 イラクでは、他国を攻撃するための発進は禁じている。 更に、[核兵器の配備など、根本的で重大な変更は、日本政府との協議なしには行わないが、戦争の危険がある場合はその例外とし、合意野必要もない、つまり、日本の従属度はひどすぎるのだ。

さらに、安保条約と地位協定の運用を協議する日米合同委員会は、米軍軍人と日本の高級官僚が隔週会合をもち、決め、実行してゆくためのものだが、国内法体系のどこにも関係なく進められる。 日米合同委員会は、吉田敏浩氏の表現を借りれば、「米軍が「戦後日本」において、占領期の特権をそのまま持ち続けるためのリモコン装置」である。

地位協定の運用は、超法規的なものだから、官僚組織は裏マニュアルで対応している。 それが、
@ 最高裁の部外秘資料 「日米行政協定に伴う民事及び刑事特別法関係資料」1952.9
A 検察の実務資料 「合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料」1972.3
B 外務省 「日米地位協定の考え方」1973.4

などである。

米軍関係者の犯罪は、「原則として法務大臣の指揮を受けることとする」し、裁判所は、日本版・統治行為論によって、「安保条約のような重大で高度な政治性を持つ問題については、最高裁は憲法判断をしなくていい」という砂川判決が生きている。 「このとんでもない判例によって、その後私たち日本人は、米軍基地問題だけでなく、原発問題をはじめとする、さまざまな政府の違法行為や、国民への人権侵害について、法的に対抗する手段を失ってしまうことになりました。というのも、「日本版・統治行為論」において、最高裁が憲法判断をしなくてよいのは、「安保条約に関する重大で高度な政治性を持つ問題」ではなく、「安保条約のような重大で高度な政治性を持つ問題」だからです」
 




矢部宏冶「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」(講談社現代新書2017.8.20)
第一章 日本の空は、すべて米軍に支配されている
第二章 日本の国土は、すべて米軍の治外法権下にある
第三章 日本に国境はない
第四章 国のトップは「米軍+官僚」である
第五章 国家は密約と裏マニュアルで運営する
第六章 政府は憲法にしばられない
第七章 重要な文書は、最初すべて英語で作成する
第八章 自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う
第九章 アメリカは「国」ではなく、「国連」である



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