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zoom RSS ビル・エモット「「西洋」の終わり」

<<   作成日時 : 2018/03/13 08:30   >>

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日本通のジャーナリスト、ビル・エモットが「西洋」の復興を願って、現状の危機と処方箋を描いて見せた。 「西洋」とは、ひとつの理念であって、その理念は、開放性と平等からなる。  

そういうオープンネスのある自由な「社会は、物やサービスの商取引も、文化や科学も、新しい発想、新しいエリート、新しい状況、新しい機会に対して開かれている。 つまり、その社会は、中央のひとつの知能に指揮されているのではなく、参加している人々の希望と行動の集合で成り立っている。それが、第二の理想あるいは指針である”平等”をもたらす」

「開放性がなかったら、西洋は繁栄できない。 たが、平等がなかったら、西洋は存続できない」

「西洋の同盟、友情、思いやりのネットワークが、これほど強力である理由は、1945年以降に確立され、通常は支持されている西洋の様々な原理−正義、国際法の支配、開放性、市場経済−が西洋以外の国を傷つけず、利益を与え、守ってきたからだ」

そんな「西洋」を脅かす脅威は、

中国、ロシアという、開放性の乏しい、新たなルールを創ろうとする勢力が第一に挙げられる。 

TPPをやめた「アメリカのそういう気まぐれのせいで、中国が主導権を握り、アジア太平洋圏にルールを押しつけるかもしれないと恐れるのは当然だ。 しかし、今後も各国は中国がルールを定めるのを認めず、抵抗を続ける可能性が高い。 どちらの側に就くのか、正直に答えるようにと強く求められたなら、世界の大多数の国が、西洋を選ぶに違いない」

もちろん、「西洋」を構成する欧州、米国、日本などの各国も、それぞれ、問題を抱えている。 たとえば、ドラッカーの予測では、ひとつは、「製造業の衰退が保護主義を招くことで、もうひとつは、人口動態のギャップを埋めるのに不可欠な移民を、望ましくなく厄介だと一般市民が見なすことだ」。 「困難な時期には、外国人をいじめたくなるものだ。 問題は、外国人の一部があなたに暴虐なことをやる場合もあるということだ」

そして、アメリカのトランプも当然懸念材料だ。 

「機構やルールの多くを自分たちが唱導したにもかかわらず、それに従わないという悪癖が、アメリカにはある。 ルール破りを美徳と考えている大統領のもとで、その悪癖は強まるだろう」







日本については、こう、語っている。

「日本の謎の中核は、債務、人口動態、期待はずれではなく、硬直化だ」。  そして、「日本の大企業の大半は、経営構造、社員の国籍、ビジネス運営のやり方については、国際化していない。その必要がないからだ」

「ウィンストン・チャーチルはかつて、アメリカ人は「正しいことをやるとつねに当てにできる。 ただし、ほかの選択肢が尽きたときに」と述べた」。 冷笑的な見方かもしれないが、それが今の日本にぴたりと当てはまるかもしれないと思えてきた」。

「日本は方策が付きかけている。利益団体に対処し、経済全体に及ぶほんとうの規制緩和を行ない、移民を自由化し、エネルギー、メディア、広告、マーケティング、卸売など、カルテル化している数多くの分野に全面的な競争を、すこしでも持ち込めば、静かではあるが画期的な変容がもたらされるはずだ。 それが開放性へのほんとうの動きを示すことになる。 それには、雇用契約を統一し、労働者の立ち位置をそろえる労働関連法改正が伴わなければならない。 そういう開放性は、大幅な権利の平等によって均衡が保たれる」






あらためて西洋社会の原則を挙げている

1. 開放性がもっとも重要だが、すべてが常時、開かれているわけではない

2. 平等こそがすべてだが、それには金だけが重要なのではない

3. あらゆるレベルと年代の教育は、平等を支える唯一の重要な柱であるとともに、国の存続に欠かせない経済的・社会的資源でもある

4. 若年層と高齢者の世代間の平等は、社会階級間や民族集団間の平等と同じように重要である

5. 法の支配は交渉の余地のない平等の保証であり、市民間および国家間の信頼の源である

6. 言論の自由は、開放性と平等に欠かせない架け橋で、両者を天秤にかけるべきではない

7. 退屈で変わらないことが、経済成長の好ましい目標である

8. 国際的な法の支配と国際協調を育むことが不可欠である



ビル・エモット「「西洋」の終わり」(日本経済新聞出版社2017.7.5)
序    西洋という理念
第1章 戦いを開始しろ
第2章 不平等と公平性
第3章 民主主義と自縄自縛
第4章 アメリカを正道に戻す
第5章 イギリス、彼らのイギリス
第6章 欧州の麻痺
第7章 日本という謎
第8章 スウェーデンとスイスのフーディーニ
第9章 シルバーヘアとスマート・ドローン
第10章 野蛮な来訪者
第11章 西洋の運命



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