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zoom RSS ブレイディみかこ・松尾匡・北田暁大「そろそろ左派は<経済>を語ろう」

<<   作成日時 : 2018/07/24 14:54   >>

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御三方の主張は、そんなに難しいものではない。 最近の左派は、すっかり、金や飯の話を忘れて、アイデンティティとか文化とか上部構造の話ばかりしている。 左派のその隙間を襲っているのは、極右で、日本も同様。 せめて、イギリスやスペインなど、欧州の左派が、反緊縮で政権に近づいているのを学び、緊縮政策や新自由主義の政策に賛同するのはやめてほしい。 でないと、安倍政権には勝てないぞと。 

御三方が絶望的に不思議に思うのは、例えば、民主党政権が消費税増税に走ってしまったことだ。 「格差を是正しなければならないときに、一般庶民をより苦しくしてどうするんでしょう」と。 もともと野田佳彦氏は左派どころか、日本でいうリベラルでもないのだろう。

リベラルと左派はどう違うのか、みかこ氏の連れ合いが語る定義がおもしろい。 「リベラルは自由や平等や人権を訴える金持ち、レフトは自由と平等と人権を求める貧乏人」。 「だからリベラルは規制緩和や民営化をする」、そういう意味では、野田政権はリベラルだったのだろう。 それでは、我々は、リベラルではなく、やはり左派政権を待望するしかない。 

「そもそも「アベノミクス」と称して掲げられた政策のうち、「金融緩和と政府支出の組み合わせ」という基本的な枠組みに限って言えば、欧州ではかなりスタンダードな左派の経済政策とおなじもの」であり、「「第三の矢」は小泉構造改革を継承するネオリベ的な天井の成長を意図した規制緩和路線ですから、需要側に注目したケインズ主義的な枠組みとはまったく異なるものというか、むしろ景気回復の足を引っ張るような政策です」と、第一と第二の矢はごく普通の政策で、運用が正しくない。 

安倍政権は、金融緩和をしながら、消費税増税をするような間違いを犯している。 そして消費税増税と法人税減税をセットにする。 しかし、「法人税の減税が経済成長につながるというのは、経済学的には必ずしも自明の事柄ではありません」

経済学やマルクス主義についての補論は、私には余計で、あまり学問的な色彩になると、本全体がポピュラーにならなくなる。 

そのほか、・・・・・

「日本は世界で経済的に最も不平等な国の一つであり、「経済にデモクラシーを」後進国である」

「日本人の家計金融資産が史上最高の1832兆円と報じられている一方で、家庭を持ったり子どもをつくったりするのはエリートのすることだと思う若者たちが存在し、就職氷河期に社会に出ることを余儀なくされたロスジェネ世代が忘却され、シングルマザーたちが毎月の生理用品を買うために食事を抜いている」

だから、まず、食べられること、お金のことに、きっちり向き合わなければならないのだ。
だから、経済成長はしなくてもよいなどと簡単に言うべきではない。

「ゼロ成長社会がいかに人びとを苦しめるものなのかという現実的な問題をすっとばして、豊かなインテリが「もう経済成長はいらない」なんて言っても、長期不況に苦しめられてきた人にとっては、単なるお金持ちの戯言にしか映らないんじゃないかと思う」

社会福祉の原資を増加させる意味でも、「供給能力の限界を克服していく」意味でも、経済成長はだいじなことなのだ。 「景気対策として社会保障分野にも投資するのが、左派本流の経済政策」

「「未来の子どもたちのために借金を残さない」とか言って、八年前から餓死者を出すほどの緊縮財政で財政的均衡を果たそうとしてきた英国で、実は借金が減るどころか増えている」。 緊縮政策は、そういう結果になるものだ。 それに、「「借金を返す」というお題目が、「小さな政府」にして新自由主義を進めることのもっともらしいエクスキューズになる」から、本人はそのつもりなくとも、財政規律を強調している間に、新自由主義になっているのだ。 

それに気付いた欧州の反緊縮派の言い分はこうだ。 「要するに「国の借金を返すために、民衆がこんなに苦しまなければならないなら、借金なんか返さなければいい」っていうこと」

人権やアイデンティティについて、日本の左派はお金や労働よりも関心があるようだが、サンダースはこんな言い方をしているという。 「人種や性や同性愛への偏見は、すべての人がまともな給料の仕事をもってこそなくすことができる」



みかこ氏のこんな話が印象に残る。 「パンと薔薇」というプロテストソングがある。 薔薇は天候に恵まれない英国の貧しい土壌でも咲き誇る花なので、労働者階級の象徴になっている」。 これは意外だ。 薔薇といったら王室かと思った。 薔薇はプライドでもある。 ワーキング・クラスは、施しを求めているわけではないと。 

松尾氏の持論も面白い。 世の中をたてに割って、内と外の内側に咲くのが右翼、世の中を上と下に割って、下に側に立つのが左翼。 カール・マルクスの唯物論というのは、ひとことでいうと、「結局世の中飯の問題です」。
そして、オリンピック後の日本を懸念、もう左派に残された時間も少ないと。 「緩和マネーは福祉や教育の分野じゃなくて、このオリンピックですべて使い果たして終わりになる」から、本当に原資がなくなると。 






ブレイディみかこ・松尾匡・北田暁大「そろそろ左派は<経済>を語ろう」(亜紀書房 2018.5.1)

第1章 下部構造を忘れた左翼
第2章 「古くて新しい」お金と階級の話
補論1 来るべきレフト3.0に向けて
第3章 左と右からの反緊縮の波
第4章 万国のプロレタリアートは団結せよ
補論2 新自由主義からケインズ、そしてマルクスへ






https://honto.jp/netstore/pd-book_28998402.html



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