映画「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」

J.D.サリンジャーはなぜ出版をやめ、隠遁してしまったのか。それに対する答えが明快なわけではない。明快であるはずもないが、創作し始めたときから、自分の創作にこだわり、ね妥協というものは知らなかった。修正すれば出版できるという話も抵抗感が強かった。もっとも、最初にニューヨーカーに掲載された時も、修正の要求も、ひとつの視点に過ぎず、参考にするだけでよいと、作家の視点であるクォリティを保てばよいのだと分かれば修正していたのだから、まったく依怙地というわけではない。しかしもまったく売れていない時期ならともかく、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」が出た後なら、もうそれほど出版に対する欲はなかったのだろう。

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の前に、ホールデン・コールフィールドを主人公とした短編をニューヨーカーで発表する予定だったということを初めて知った。サリンジャーの分身ともいえるホールデンの物語をずっと、従軍中もあたためていた、というのはすごいことだ。

ニコラス・ホルトはあまり好きな俳優ではないけれど、この J.D.サリンジャーは、適役なのかもしれない。ケヴィン・スペイシーと、ゾーイ・ドゥイッチは、なんだか久しぶりに見たような気がする。


映画「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」( ダニー・ストロング監督 REBEL IN THE RYE 2017)







オフィシャル・サイト
http://rebelintherye-movie.com/


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