映画「マイ・ブックショップ」

自由な息吹と同時に、根強い保守的な権力のいじめが徹底する、なかなか英国らしいストーリーの、英国らしい映画だ。原作は、ペネロペ・フィッツジェラルドの「ブックショップ」。

時は50年代末、レイ・ブラットベリーの「華氏451」やウラジミール・ナボコフの「ロリータ」が出版され、英国の辺鄙な田舎町にも読者が出始めた頃。フローレンス・グリーン(エミリー・モーティマー)は戦争で死んだ夫とともに夢を見た書店を開くことに決めて、「オールドハウス」という長らく空き屋だった古い家を購入、開店準備を始めた。 ところが町の有力者ガマート夫人( パトリシア・クラークソン)は、芸術センターをオールドハウスに作るという目論見をよそ者の新参者につぶされて面白くない。ことごとく邪魔することになった。

交通の邪魔だの、子どもがアルバイトするのは不法だ、「ロリータ」などこの街には相応しくない、挙句の果てに別の本屋を回転させたり、歴史的建造物は接収できる法律を作ったり・・・執拗な嫌がらせに、徐々に経営は難しくなってゆく。ただひとり読書三昧の生活を送り邸から一歩もでないエドモンド・ブランディッシュ(ビル・ナイ)だけが味方だった・・・・

英国の田舎町の権力者というものは、ほんとうに嫌味な存在だ。 フローレンスの良書を売りたいという思いは、ともに書店員だった夫への想いと、本への愛情が強く感じられる。 そして映像が、落ち着いていて美しい。 

 


映画「マイ・ブックショップ」(イザベル・コイシェ監督 THE BOOKSHOP 2018)



オフィシャル・サイト
http://mybookshop.jp/

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