テーマ:韓国

斎藤真理子責任編集「完全版 韓国・フェミニズム・日本」

雑誌の特集が追加の稿を含めて独立した本になったもの。小説、論文、エッセイ・・・と、なかなか読みでがある。 おもに、韓国の文学におけるフェミニズムの話題を論じている。きっかけは、なんといっても、チョ・ナムジュの「82年生まれ、キム・ジヨン」の爆発的なヒットであろう。韓国及び日本女性が、この本に賛同し、自分のことだと涙したのは当然としても、…
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荒山徹「白村江」

たいへん興味深い歴史的事件を、すこぶるユニークな想像力、いや創造力豊かな物語としてつくりあげた。古代の歴史は小説で知るのも一つの方法だ。所詮本当のことはわからないのだから。しかし、この葛城皇子(天智天皇)の白村江の戦いに向けた謀略は、ちょっと破天荒に過ぎるように私には思える。この説はある種の「日本すごい」論に通じている気さえする。半島を…
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チャン・ガンミョン「韓国が嫌いで」

著者のチャン・ガンミョン氏は記者出身で、多作の作家らしい。若手女性作家のドキュメンタリーのような、おしゃべりするような話し方で綴られた快作で、作家が「既得権側」に住む、中年おじさんとは信じがたい、柔軟で、みずみずしい、若者らしい視点の書きぶりだ。 主人公のケナは、両親と三人姉妹の真ん中で、アヒョン洞の貧しい町に住む。父親も、姉も妹…
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チェ・ウニョン「わたしに無害なひと」

最近の韓国作家の本には作家のあとがきが付されているものが多い。 ここでもチェ・ウニョン氏はこんなことを記している。 「この短編集の七編の物語には未成年の私が通り過ぎてきた時間が浸み込んでいる。軽んじられ、大人の都合で利用される幼い体と心について、私はこの物語を書きながら長いこと考えた。子どもだけが感じることのできる孤独、限りない悲…
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チョン・ソヨン「となりのヨンヒさん」

なかなかユニークなSF短編のあつまりだとおもう。韓国の小説らしい社会派的なものもなくはないが、どちらといえば、かなりユニークな作家のパーソナルな想像力がつくりあげた作品だ。底流としては、あまり明るいものではなく、私の好みに合わないものも少なくなかった。その中でも、「となりのヨンヒさん」はもっとも好きな短編だ。楽しく、意外で、情感がある。…
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韓国ドラマ「ホテル・デルーナ」

WowoW放映中のドラマ「ホテル・デルーナ」も、そろそろ佳境に入り、どんな終わり方をするのか興味がひかれるところだ。なんたって、アイ・ユーが次から次に服をとっかえひっかえして、その魅力をふんだんにばらまいているドラマだ。 内容的には、「主君の太陽」と「トッケビ」を合わせたような、転生と幽霊と愛の物語だ。 アカデミー賞で言えば、作品賞は無…
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金敬哲(キム・キョンチョル)「韓国 行き過ぎた資本主義」

「行き過ぎた資本主義」という言葉が妥当なのかどうかはわからないが、韓国社会の過酷さは大変よく分かった。  2011年に誕生した恋愛・結婚・出産を諦めた「三放世代」が進み、あらゆるものを放棄する「N放世代」となった・・・・、5歳未満の子供たちまで英語発音能力を高めるための、舌の下側を切開して舌を長くし柔軟性を高める手術をする「大峙洞…
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ソン・ウォンピョン「アーモンド」

最近の韓国の若い作家の作品には、作家の言葉、あとがきが掲載されていることが多い。 出産直後の我が子を見て、「この子がどんな姿であっても、変わりなく愛を与えることができるだろうか。期待とまったく違う姿に成長したとしても?」と問う。そして、「その問いから、「果たして私だったら愛することができるだろうか?」と首をひねってしまうような子が二人生…
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チョン・セラン「保健室のアン・ウニョン先生」

私もたいへ好きな作品「フィフティ・ピープル」のチョン・セランが、もともと馴れた?舞台であるファンタシーの作品で、最新作らしい。学校の怪談のような、学校の保健室をとりまく、この世のものでないものを描く短編が続く。「フィフティ・ピープル」ほどではないが、なかなか面白い。 見たくもない者が見えてしまうアン・ウニョンは、病院勤務に疲れて、…
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映画「バーニング 劇場版」

原作は、村上春樹の短編『納屋を焼く』という。それは読んだことはない。ミステリーのようでもあり、不条理劇のようでもあり、やや得体の知れない物語だ。好きな人は好きなのだろうが、私にはちっとも面白くなかった 幼馴染のヘミ(チョン・ジョンソ)に偶然出会ったジョンス(ユ・アイン)は、ヘミが旅行中に、アパートの部屋に行き猫に餌をやってくれと頼…
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映画「神と共に 第一章:罪と罰 / 第二章:因と縁」

スペクタル・ファンタジーと称される大作だ。なかなかよくできた大掛かりな映像だが、なんとなく漫画っぽいと思ったら、原作は漫画だったらしい。第一章は、精一杯生きた亡者の地獄めぐりをとおして人生の罪を問う。そして第二章では、地獄の案内役を務めた三人の死者の因縁と許しを描く。ストーリーも韓国映画らしい、人の優しさと欲の醜さがいっぱい。 火…
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韓国ホームドラマ「世界で一番可愛い私の娘」

Wowow放送中の韓国ホームドラマ「世界で一番可愛い私の娘」が、5月15日で最終回を迎える。キム・ヘスク以外にファンの俳優が出演していないこともあって、あまり真面目に見ていなかったが、ほんとうに韓国ドラマのエッセンスがてんこ盛りのドラマだったなあとおもう。韓国では、最高視聴率33.6%を記録したというから、かなり人気があったのだろう。 …
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映画「ブレイブ・ロード 名もなき英雄」

トルコの映画には、稀にびっくりするようにいい映画もある。 この映画は、実話に基づいた朝鮮戦争秘話だ。朝鮮戦争の国連軍の一員とした、いち早く参戦したトルコの英雄譚かとおもいきや、あれ、この子!とびっくりする少女が出演していて、俄然、見る目が変わった。韓国ドラマ「応答せよ、1988」の横町でみんなに愛された幼児、チンジュ(キム・ソル)がでて…
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映画「映画チーズ・イン・ザ・トラップ」

タイトルにわざわざ「映画」とはいっていることから、もともとテレビドラマだったものを映画化したものとわかる。主演のパク・へジンはドラマに引き続き、ここでも主演を務め、ミステリアスでクールなイケメンを好演している。 といっても、クールだから、表情に変化がないし、演技しているのか地なのかもわからない。この人は、「バッド・ガイズ」でも、ひどくク…
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映画「パラサイト 半地下の家族」

たいへん期待して見に行ったのだが、もちろんよくできた素晴らしい映画だけれども、期待が大きすぎたかもしれない。それにソン・ガンホ主演だから面白いコメディだと勝手に誤解していた。コメディには違いないが結構シリアスで、ブラック度がきつい。  坂の上の高級住宅街の豪邸に、パク・ドンイク(イ・ソンギュン )、パク・ヨンギョ(チョ・ヨジョン)…
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山本晴太・殷勇基他「徴用工裁判と日韓請求権協定」

2018年10月30日の日本製鐵徴用工事件に対する韓国大法院再上告審判決は、日本政府などに強い反発を招いたが、その流れは、2012年の日本製鐵徴用工事件大法院上告審判決で既に決まっていたことを踏襲したに過ぎなかった。つまり、文在寅政権の方針でもなく、保守の李明博政権の時に既に定まっていた。2018年まで実現しなかったのは、朴槿恵政権に忖…
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映画「スピード・スクワッド ひき逃げ専門捜査班」

コン・ヒョジンはラブコメ女王のときとはうってかわって、アクション・サスペンス映画の時はカッコいい。 ラブコメドラマ「嫉妬の化身」で共演したチョ・ジョンソク、「応答せよ1988」が好評だったリュ・ジュンヨルが、それぞれいい味を出している。 コン・ヒョジン主演だから見に行くのであって、特にどうってことないB級アクション映画だ。 ただの…
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映画「それだけが、僕の世界」

イ・ビョンホンが冴えない孤独な元ボクサーで、前半は冴えないままの映画で退屈する。ガラリと変わるのは、弟のオ・ジンテが街角におかれたピアノでショパンを弾き始めてからだ。ガラッと映画のリズム迄変わった。 「アメリカでは満38歳、この国では40歳」と、スパークリングの相手としては年寄過ぎるのではと訝しむ相手にそう答えるジョハ(イ・ビョン…
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映画「レッスル!」

芸達者な役者がそろった良質のコメディで、たまに、こういう肩の凝らない楽しい映画はいいものだ。 一番びっくりしたのは、主人公ギボ役のユ・ヘジン、いつもは冴えない脇役が多いのに、元レスリング代表選手で、しかも若いガヨン(イ・ソンギョン)から慕われて結婚したいと言われるほどモテるなんて、ありえない。  ギボは、いまではシングルファザーで…
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韓国ドラマ「空から降る一億の星」

「空から降る一億の星」という覚えにくいタイトルの韓国ドラマ、なかなかよくできたラブ・ストーリーだった。  短くも哀しく燃える。 韓国ドラマには、よく悲しい子供時代の記憶を引きずっていく人生を描くものが多い。 失われている記憶をとりもどしてゆくドラマもまたよくあるパターンだ。 取り戻した後はたいていはハッピーエンドにつながるのだが・…
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韓国ドラマ「マイ・ディア・ミスター 私のおじさん」は素晴らしい

韓国ドラマ「マイ・ディア・ミスター 私のおじさん」は素晴らしい。 大好きな IU主演ということで見始めただけなのだが・・・ちなみに、IUは歌手としてよりも俳優の方がいい 最初はなんて暗いドラマなんだろうと思ったが、いろいろ惹きつけられた。主人公のプロファイルをみればその暗さがわかる。 ・イ・ジアン(IU)・・・人を殺し…
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チョ・セヒ「こびとが打ち上げた小さなボール」

なかなか独自の雰囲気を持った、寓話的な物語だなと感じつつ読み進めていたら、この小説は最近創作されたものではなく、70年代後半に書かれたもので、それも有名なロングベストセラー作品と知って、寓話などではなく、きわめてリアルな物語なんだと理解した。 しかしリアルな物語をリアルには描くことは70年代、80年代にはできなかった。軍事独裁政権は反体…
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映画「天命の城」

朝鮮が清に服属する最初の出来事、「三田渡の盟約」の経緯を描く歴史ドラマ。頼りなく死を恐れ、自身が生きながら得ることを願う王仁祖、たとえ死んでも大義ある王と国家であるべく王を導くのが臣下の道だと信ずる大臣キム・サンホン、そして、どんなに屈辱的であっても民の生命を守るのが王の道だと考える大臣チェ・ミョンギル、三人と宮廷の流儀しか知らない官僚…
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世宗大学独島総合研究所・保坂祐二編「文書・証言による日本軍「慰安婦」強制連行」

興味深いという言葉は不謹慎かもしれぬが、慰安婦を朝鮮半島や日本内地から、満州、中国、東南アジアに送るために、内務省や警察と軍とが、知恵を絞っているのが、たいへん官僚的で興味深い。内務省や警察などは、あきらかに国際条約違反や皇軍の評判や権威を落とさぬよう、内務省は無関係というスタンスをとれるよう、いろいろな手続きを定め実視させようとする。…
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キム・スヒョン「私は私のままで生きることにした」

キム・スヒョンはイラストレーターにして作家。 この本は韓国で60万部を超えるベストセラーになった、読めば読むほど、韓国社会で生きることの過酷さを感じる。こんな文章が端的に表している。  「画一的な社会の姿は、ひとつの答えだけを追い求める  個人の姿に引き継がれた  だから私たちの社会では、体脂肪は17%、  体重は48kgで…
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映画「ゴールデンスランバー」

誰もが好きなビートルズの曲を私も好きだが、なかでも "Golden Slumbers" から "Carry That Weight" がいちばん好きだ。それもけっこう秘めた恋のように密かなものだ。もし、"White Album"の"Julia"が好きだなんて言うとしたら、それは、ここまで知っているというだけの見栄にすぎないが、"Go…
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中塚明「近代日本と朝鮮 第三版」

日本と朝鮮半島とのかかわりについて、かなり詳細に記述されている。若干、言葉遣いと視点にイデオロギーの香りを感じるが、内容は史料に基づく出来事の記載が中心だから、記述の信頼性は高いのだろう。ななめ読みでもよいから、この程度の内容は日本人ならみな、高校生程度で学ぶべきだろうと心からそう思う。歴史教育はここまでやらないと、まともな前進はできま…
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尹東柱ユンドンジュ「空と風と星と詩」

映画「空と風と星の詩人~尹東柱の生涯~」や、NHKの「こころの時代」で、尹東柱を知った。詩は中学高校の頃にはよく読み、時には手慰みに書くこともあった。しかし、いまでは詩はまったく別の世界のものだ。それでも、尹東柱の詩は、どこか心に残る。それは、その澄み切った抒情性、素直さ、そして、隠れた強さと言ったものだ。 金時鐘氏は、こんな解説…
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加藤直樹「TRICK トリック 朝鮮人虐殺をなかったことにしたい人たち」

この本は日本人必読の書だ。工藤美代子・加藤康男の「関東大震災「朝鮮人虐殺」はなかった」という本の、朝鮮人虐殺を否定する方法、つまりトリックを明らかにして詳らかに解説する。こういうことは絶対必要だ。自民党都議が小池知事に勧めたように、歴史修正主義者が、この本に書いてあるからと勧めたその場で、否定する本を読めとカウンターできる。 しか…
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加藤直樹「九月、東京の路上で」

都知事が朝鮮人虐殺の異例の言葉を記念日に語ることをやめただけでなく、いま、朝鮮人暴動は実際にあって、自警団がそれと戦ったと信じる人々が増えているらしい。この本のように、どんなに実際の証言が公開されても、認めたくないことは認めないようだ。そんな人がいま韓国に対しては何言ってもいいんだと、白昼のテレビ番組で韓国たたきをしている。  巻…
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